血行と免疫

血行と免疫

白血球
免疫細胞は腸や血液内に存在し、全身に張り巡る血管を通って身体をパトロールしています。

そして外部からの細菌やウィルスといった侵入者を見つけると、他の免疫細胞に応援を要請しながら退治に掛かります。

しかし、ここで厄介な問題がひとつ。

免疫細胞は、マクロファージやリンパ球など複数の白血球の混成部隊ですが、どれも比較的大きな細胞です。

そのため、極細な毛細血管を通るためには身体をねじりながらやっと通っているのです。

このままではなかなか応援にたどり着くことが出来ず、細菌やウィルスに対抗する部隊の編成に時間がかかってしまいます。

そこで人体は体温を上げることで血管を拡張し、免疫細胞が速やかに現地にたどり着けるようにアシストをするのです。

まるで、救急車やパトカーがサイレンを鳴らして緊急事態を知らせ、一刻も早く現地に辿りつこうとしている姿と一緒ですね。

血管拡張

血行が悪い人と良い人

血液には酸素や栄養、ホルモン、熱、白血球などを運ぶ大切な役割があり、血行改善はすべての病気予防の基本です。
 
逆に言うと、血流が悪いところから病気が始まるとも言えます。

血流を阻害する要因として、運動不足、睡眠不足、ストレス喫煙、暴飲暴食などの生活習慣が考えられますが、実際に身体に表れる症状では「冷え」が大敵です。

冷え性の人は指先などの末端部がとても冷たいのですが、これは毛細血管に流れる血流が悪く、血不良に陥っている状態です。

血行不良は指先だけでは留まりません。冷え性の方は総じて内臓への血流も悪く、身体中の組織や細胞に元気がありません。

その結果、健常な大人でも一日に約5000個できると言われているガン細胞に太刀打ちできず、その人の免疫細胞の処理能力を超えたガン細胞は、やがてガンになってしまいます。

このようなことから「冷えは万病のもと」と言われるのです。

冷え性
冷え性対策の基本は身体を温めることです。

夏はクーラーによる冷やし過ぎに注意し、冷たいアイスや飲み物はほどほどにしましょう。
冬は肌の露出は最小限に、身体の深部を温める食事を摂りましょう。
他に冷え対策はさまざまあります。ご自身にあった対策を行うと良いでしょう。

なお、理想的な体温である36.5~37.1℃を保っている人は血行が良い人です。

このような人は、身体中の組織や細胞が元気に満ち溢れていますから、冬の寒さもさほど苦にしません。

しかも新陳代謝や免疫細胞が強く、病気になりにくいのです。
 

 

出典

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本医協学院発行
健康管理士向け教本より

(健康管理士 山田 真二 要約)
 

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