心臓の働きと血管
心臓は毎分70回ほど、1日では約10万回も収縮・拡張を繰り返すことで、1分間に5~7リットル、一日にすれば7000~1万リットルもの血液を全身に送り出しています。
心臓には4つの部屋があり、上部には右心房と左心房、下部には右心室と左心室があります。
心臓が血液を送るルートは「体循環」と「肺循環」との2つがあります。
体循環は全身をめぐる循環であり、約20秒で血液は左心室→全身→右心房→右心室と回ります。
肺循環は酸素と二酸化炭素を交換する循環であり、3~4秒で右心室→肺→左心房→左心室と血液が回ります。
『血管が道路、その中を走る血液が自動車』とイメージしてみましょう。
この道路や自動車が古くてぼろぼろだったら、そこらじゅうで事故や渋滞が発生し、様々な問題が引き起こります。
それでは、最新の車を使ったとしたら早くたどり着けるでしょうか?
道路がボロボロだったら同じ結果であり、目的地にはなかなか辿り着くことはできません。
この例を血管に当てはめて考えてみましょう。
最新の自動車とは栄養抜群の食べ物です。食べ物にたっぷりと含まれた栄養は、胃や腸といった消化器官で吸収されて血液中に溶け込みます。
そして心臓から押し出された血液は、動脈から枝分かれしながら毛細血管に流れ込み全身の隅々に運ばれます。
ですが、血液の流れる通路である血管がボロボロの状態では、血液が酸素や栄養を乗せて身体の隅々まで栄養を届けようとしても届かない所ができてしまうのです。
そして血管をボロボロにしてしまうのが、動脈硬化や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病なのです。
出典
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本医協学院発行
健康管理士向け教本より