動脈硬化と高血圧と脂質異常症

動脈硬化と高血圧と脂質異常症

動脈硬化

動脈は心臓のポンプ作用によって勢いよく流れてきた血液の圧力にも耐えられるように、柔軟で弾力に飛んでいますが、動脈硬化はその名の通り血管が硬くもろくなってしまいます。

 

動脈硬化の主な原因は老化と生活習慣です。
ところが生活習慣の乱れにより、比較的若い人でも動脈硬化が増加しています。
 
血液中に悪玉コレステロールとよばれるLDLコレステロールが多いと、血管内で壁のように固まってしまい内部を狭めます。
 
当然、血液の流れは悪くなりますが、身体の組織や細胞は血液が運んでくる酸素や栄養素が必要です。
 
血液を狭い血管内でも通すため、ポンプである心臓には高い負荷が掛かります。
 
そして血管は「高い圧力 = 高血圧」という状態になっていきます。

 
このように動脈硬化と高血圧はとても深い関係にあるのです。
血圧の分類図

脂質異常症

脂質異常症という言葉はあまり馴染みがないかも知れませんが、以前は「高脂血症」と呼ばれていた血液中の脂質の量が異常という状態です。

 
脂質にはコレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、リン脂質の4種類があります。
 
コレステロールにはさらに2種に分けられ、悪玉コレステロールのLDLコレステロール、善玉コレステロールのHDLコレステロールがあります。

脂質異常症の診断はLDLとHDLの両方をチェックします。
 
HDLは少ないと問題になり、40mg/dl未満で異常、
LDLは多いと問題になり、140mg/dl以上からが異常
です。
  
動脈硬化イラスト

LDLは血管内にこびりつき動脈硬化の危険性が高まります。
 
HDLは体内で使いきれなかったコレステロールを運ぶ役割があり、動脈に溜まったLDLも回収します。
 
よって、「コレステロールを減らせ」と言う意味は悪玉のLDLコレステロールを減らすことであり、善玉であるHDLコレステロールは増やした方が良いのです。


コレステロールと血管の図↑コレステロールなどの固まりがこびりつき細くなった血管

 

動脈硬化、高血圧、脂質異常症はこれといった自覚症状がありません。

そのため、健康診断などで行った血液検査で発見されることがほとんどです。
 
ですがLDLは全身の動脈に付着していきますので、気付いたころには動脈硬化がかなり進行していたっていうことは珍しくないのです。
 
このように高血圧と動脈硬化が深い関係であるように、動脈硬化と脂質異常症も密接な関係にあるのです。

 

 

出典

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本医協学院発行
健康管理士向け教本より

(健康管理士 山田 真二 要約)
 

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