人体を守る免疫の力

自然治癒力と免疫

指をカッターで切ってしまっても、血液に含まれる血小板の働きにより出血は止まります。

そして傷口にはかさぶたが覆い被さりますが、やがてかさぶたは取れて、修復された皮膚が現れて元のきれいな指に回復します。

これが自然治癒力です。

また細菌やウィルスなどの外部からの侵入者に対し、抵抗力を発揮する免疫もそのひとつです。

このように私達の身体には怪我や病気になったとしても、自然と身体を治そうとする働きが備わっています。

傷を治すしくみ
 

自然治癒力が低下すると

ところが、現代人は過剰なストレス、昼夜逆転の生活による睡眠不足等などの諸問題を抱えている人は珍しくありません。

ますます血行不良や自律神経の乱れ、ホルモンの分泌異常を招き、日々の生活の中で自然治癒力は次第に低下してしまいます。

そうすると身体の防衛システムである免疫細胞は活力を失い、細菌やウィルスに対抗しようとしてもなかなかやっつけることが出来きません。

頻繁に風邪を引く又は一度風邪を引くとなかなか治らない人は、免疫の働きが低下して自然治癒力が弱くなっています。

また風邪で治まれば良いのですが、風邪をきっかけに肺炎などの深刻な病気に進行してしまう危険が高まりますので、注意が必要です。
 

免疫細胞とは

免疫とは、血液成分のひとつである白血球の働きです。
 
そのため白血球は「免疫細胞」とも呼ばれます。

白血球は免疫細胞の総称であり、顆粒球(かりゅうきゅう)やマクロファージに代表される「自然免疫」と、リンパ球のT細胞やB細胞などの「獲得免疫」に分かれます。

 
「自然免疫」は体内の異物を見つけるパトロール役を担っており、異物を見つけた場合、真っ先に攻撃をします。
 
そしてその異物の情報を「獲得免疫」伝えます。
 
「獲得免疫」は自然免疫から受け取った情報を記憶し、つぎに同じ異物を見つけたときに素早く反応して攻撃する役割をもちます。

白血球と細胞

ワクチンとは

冬になるとインフルエンザが流行しますが、本格的な冬が到来する前にインフルエンザワクチンの接種が推奨されます。

そんなワクチンの正体は増殖力を持たないウィルスです。

あらかじめ免疫細胞に「こんな奴がきたら退治せよ!」と教え込むことによって、いざインフルエンザウィルスが体内に侵入してきたら、速やかに対処できるように訓練をしておくわけです。

例えるなら指名手配書といったところですね。

インフルエンザウイルス
 

 

出典

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本医協学院発行
健康管理士向け教本より

(健康管理士 山田 真二 要約)
 

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