その浮腫み、体からのSOS?

その浮腫み、体からのSOS?

浮腫み自体は病気ではなく、自覚症状があっても軽視されがちです。

しかし、浮腫みに伴い集中力が続かずにやる気が出ない、イライラするなどその精神的に症状や障害が出る場合もあります。

それでは、なぜ浮腫みはおこるのでしょうか。
例えば、女性の方が浮腫みやすいと言われるように、体質的なものも関係します。

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浮腫みの正体は?

浮腫みの正体をひとことで言うと「皮下に溜まった余計な水分」です。

自覚症状の多い足の場合に例えてお話します。

足に循環している血液は本来、心臓から動脈を通って足まで運ばれ、静脈を通って心臓に戻されます。

しかし、足に流れた血液を重力に逆らって心臓まで戻すには、心臓自体の静脈血を引き戻す力と、足の筋肉によって静脈血を押し上げる力が必要です。

このどちらかの力が弱まっても、浮腫みは発生します。

特に足のむくみの場合は、足の筋肉を使って押し上げる力が働いていない場合が多いです。

通常、動いている人は浮腫みが起こりません。
しかし、仕事で動かないデスクワークの人や立ちっぱなしの人が浮腫みやすいのは、足の筋肉を使わずに静脈血がうっ血し、浮腫みが起こります。

それでは、なぜ静脈血がうっ血すると皮下に水分が溜まり、浮腫みが発生するのでしょう
か。

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浮腫みのメカニズム

人の体の水分量は体重の約60%です。

この体の水分量のうち、1/3は細胞外液で残りの2/3は細胞内液です。

そして細胞外液の80%は細胞間にある水分で「間質液」といいます。

間質液は、動脈側の毛細血管から染み出した酸素や栄養素を細胞に届ける役割と、細胞の代謝によって発生する二酸化炭素や老廃物を静脈側の毛細血管やリンパ管へ戻す役割を担っています。

つまり、毛細血管の壁には小さな穴があり常に水分(間質液)が出し入れされているわけです。

この毛細血管から滲み出る間質液の量と、毛細血管に戻る間質液の量は常に同じ量になるように体内では働いています。

しかし、これが何らかの原因によってバランスが崩れると、過剰な水分が皮下に溜まってしまいます。

これが浮腫みの発生のメカニズムです。

浮腫み2 浮腫み

先程述べたデスクワークなどで動かない人が浮腫みやすいのは、足の筋肉を使わない事により、静脈血の流れが悪くなり、血管に戻る間質液の量が少なくなるためです。

血管に吸収されず、溜まった間質液が浮腫みの正体というわけです。
 
 

こんな人が浮腫みやすい

低血圧
低血圧の人は、足や手などの末端部の血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。つまり、心臓に静脈血を引き戻す力が弱い傾向にあります。それが浮腫みの原因になります。
 

肥満
肥満は心臓に負担をかけているため、心臓に静脈血を引き上げる力も弱くなります。
また、肥満の方は呼吸が浅い傾向にあり、静脈の流れに影響を及ぼします。
皮下脂肪が多いと浮腫みが取れにくい事もあり、対策としては筋肉をつけつつ、痩せる事が一番です。

肥満
 
更年期
更年期には、エストロゲンの減少によって、女性ホルモンのバランスが乱れ、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経の働きも乱れます。
よって血行が悪くなるため、浮腫みが起こりやすくなります。
また、加齢による筋力低下でリンパの流れが悪くなるのも原因です。
 
 

浮腫みの様々なケース

浮腫み自体は病気ではありませんが、何らかの病気のサインとして浮腫みが発生している場合があります。

例えば

 翌日になっても浮腫みが引かない
 急激に浮腫みが起こり、体重が増えた
 体調不良に伴い浮腫みが出た

など様々なケースがあります。

注意する浮腫みは、足以外の顔や手などの場所に見られる浮腫みで、これらは病気が疑われます。

体の左右非対称に浮腫みが見られる場合、静脈やリンパの病気、炎症性などの病気が疑われます。

また、浮腫み以外に食欲不振や動悸、体重の増加や尿量の変動などの身体的な症状が出た時も注意が必要です。

薬による副作用も浮腫みの原因のひとつになっている事が多いので、異変を感じたら早めに病院で診てもらう事が大切です。

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出典

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本医協学院発行
健康管理士向け教本より

(健康管理士 山田 真二 要約)
 

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